米金融機関史上2番目規模の倒産

ここ最近いいニュースがなかった米金融機関シリコンバレーバンクが経営破綻となりました。

 

史上2番目の規模との事です。アメリカの景気後退の引き金となるのか、ここ最近での衝撃度はかなり高いです。

 

シリコンバレー銀なぜ破綻? テック金融の要、不安連鎖:日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN10DPA0Q3A310C2000000/

 

日経の記事ですね。

下記簡単にまとめさせていただきます。

シリコンバレーバンク長いので以下SVBとさせて頂きます。

 

1.なぜ経営破綻?

大きな理由はここ最近の米利上げによるものとの事です。利上げが何故関係しているのかというとSVBはテック企業を中心に顧客を据えています。従来の銀行より口座を早く作れるかつ審査が通りやすい。この特性によりSVBは多くの法人企業の取引先として選ばれてきました。

しかしこのモデルは収益としては充分な儲けを得ることができません。そこでSVBは集めたお金を投資に回して利益を出すことにシフトしました。

ここで投資のメインに選んだのがMBS所謂住宅担保ローン証券です。これはリーマンショックの引き金にもなった金融商品ですね。

住宅ローンを証券化して売り出している商品です。住宅ローンは安全。審査も厳しいし、債務不履行に陥る人は少ないよねって商品です。

しかしこの商品利上げには弱い。金利が上がれば住宅ローンが上がるので、返せなくなる人も増えますし、住宅料金も下がってしまうからですね。

従来だと金利が上がれば銀行は儲かると言われてますが、SVBの場合は逆この投資が大きなマイナスに繋がってしまったのです。

経営が危なくなった所に更に法人顧客が口座からお金を引き上げてしまう。こうなると手元のお金は一気になくなります。結果支払い能力がなくなり、破綻。危ないかもというニュースが出てから非常にスピーディーに破綻しまいました。投資のポートフォリオの大事さを感じさせてくれますね。

 

2.会社の特異性

そもそも他の銀行株も下がったり、決算が良くなかったりと米金融機関は今なかなか厳しい状態にあるのですが、SVBは何故耐えれなかったか。そこには会社の特異性があります。

まずは投資先の大部分に住宅ローン証券を選んでいた事。そして顧客のほとんどがテック等の法人顧客しかいなかった事が挙げられます。

通常銀行が破綻した場合では日本でもある程度のお金は国から保障されるシステムになってますが、それでも全額は出ません。法人の場合基本はその許容量を超えてきますし、会社のお金がすぐに使えなくなると困るので、少しでも危ないと感じたら口座から金を動かさなきゃという作用が働きます。

その結果ドミノ倒しのように顧客がお金を引き出してしまい、資金繰りが回らなくなってしまったんですね。

銀行のビジネスモデル口座の金ありきですから、急に引き出す人が急増してしまうとそれだけで大打撃になります。

その結果安い状態になっているMBSを売るハメになりそれでも大したお金にならず経営が回らなくなってしまう。

筆者としては投資もやってますので企業を見るときはこういう所も確認せねばと勉強になりました。

あとは今後周囲にどういった影響を及ぼす可能性があるのか、しっかり見守りたいです。