AIに次ぐ大発明?

アメリカのアマゾン・ドット・コムは、国内での肥満症治療薬の需要が高まる中、製薬大手イーライ・リリーのウェブサイトで購入した処方薬を自宅まで配送するサービスを開始すると発表しました。このサービスはアマゾンのオンライン薬局である「アマゾン・ファーマシー」を通じて提供され、患者がオンラインで薬を容易に入手できるようにすることを目的としています。

イーライ・リリーは今年1月に、処方箋がある薬を患者に直接販売するための自社サイトを外部のオンライン薬局と連携して開始しました。患者がこのサイトで薬を注文すると、アマゾン・ファーマシーが配送や顧客サービスを担当します。

米国食品医薬品局(FDA)は2023年11月にイーライ・リリーの肥満症治療薬「ゼプバウンド」を承認しました。アメリカにおける肥満症薬の市場は急速に拡大しており、アマゾンが配送を担うことで供給網のさらなる効率化が期待されます。

イーライ・リリーの株価は肥満症薬に対する期待が高まり、1年間で2倍以上に増加し、時価総額は約7170億ドル(約100兆円)に達しており、米テスラ(約5650億ドル)を上回っています。同様に肥満症薬を扱うデンマークの製薬大手ノボノルディスクの株価も大幅に上昇し、株式市場におけるプレゼンスが高まっています。

アマゾンとイーライ・リリーのこの戦略的なパートナーシップは、ヘルスケア、テクノロジー電子商取引の増大する交差を示し、より顧客中心のヘルスケアソリューションへの動向を反映しています。アマゾン・ファーマシーによる配送サービスは、効率性、アクセシビリティ、即時性を求める消費者のニーズに応えることで、製薬業界における利便性の新たな基準を設定するかもしれません。